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トヨタの中型ミニバンとして人気を博している車種が、トヨタ ノア/ヴォクシー/エスクァイアです。車歴は前身のタウンエース/ライトエース時代を含めるとトヨタ ノアが一番長く、この3兄弟の本家と言えます。トヨタ中型ミニバン本家のノアは、2022年1月フルモデルチェンジの可能性が濃厚であることを、以前のブログでお伝えしました。
次期型トヨタ ノアはコンセプトやデザインは現行R30G/W型を踏襲した、キープコンセプトのモデルチェンジを行う模様です。しかし、メカニズムは全面刷新の予定です。プラットフォームはTNGA思想に基づくFFシャーシ、エンジンは燃焼と排気効率を高めた2.0リッターダイナミックフォースエンジンを搭載予定です。ダイナミックフォースエンジンはハイブリッドシステムのエンジンにも使用され、こちらは1.8リッターを採用します。駆動方式はFFと4WDで、現行R30G/W型ではガソリン車にしか設定がなかった4WDが、ハイブリッド車にも登場する模様です。トヨタのハイブリッド車の4WDは後輪をリヤモーターで回し、トルク配分を行う仕組みです。そのためガソリン車の4WDのようにエンジン出力を後輪に伝えるシャフトやデフが必要なく、軽量になり、燃費もFFのハイブリッド車と比較しても、さほど落ちません。
特に注目したいのは、TNGAプラットフォームに変更されること。TNGAプラットフォーム最大の注目点は、車両の重心を低くできることです。車両の重心とは、自動車に使われる部品で一番重いものが普通で、ガソリン車ならエンジン、EVならバッテリーです。次期型トヨタ ノアは2.0リッターガソリンエンジンと、1.8リッターガソリンエンジン+モーターのハイブリッドシステムを搭載する予定なので、重量物はエンジン、重心はエンジンの位置になります。
重心は車両を上から見た場合と横から見た場合で、最低2点を考えねばなりません。上から見た場合、トヨタ ノアのエンジンはフロントボンネットにあるため、コーナリングの旋回時に遠心力でフロントからコーナーの外方向に滑りだそうとします。この現象を防ぐため、スーパーカーはエンジンをホイールベース内に搭載するミッドシップの採用が多いのです。しかしノアはスポーツカー的な走りをする車ではないので、この現象はあまり問題ではありません。
では車両の横から見た場合、エンジンの搭載位置が高いと自動車の重心も高くなります。重心が高いと、車体のロールやふらつきを誘発します。しかも自動車はプラットフォームやエンジン、ミッションなどを含むアンダーボディが重く頑丈に作られており、ボディから上は軽く作られています。その上ミニバンは全高が高いので、街中の右左折でボディがグラッと揺れるロールが発生します。高速道路でトラックやバスなどが隣のレーンを走ると風圧を直接受け、車体がふらつきやすくなります。風の強い日でもふらつきますね。
ミニバンのロールやふらつきを抑えるためには、車体の重心をなるべく低く設定することが重要です。そこで低重心設計のTNGAプラットフォームで開発した初のミニバン、次期型トヨタ ノアのモデルチェンジが待たれているのです。
ヴォクシーは元来、ネッツ店(旧トヨタオート、ビスタ店)の扱い車種なので、ライトエース・ノアのモデルチェンジ版として、2001年に初代モデルがデビューしました。ヴォクシーは前身時代からノア(前身はタウンエース)の兄弟車で、メカニズムは共通。エクステリアとインテリアデザインが違う車種なので、次期型ヴォクシーは次期型ノアのメカニズムをそのまま使用するはずです。
トヨタは2020年より販売店を1本化し、トヨタモビリティ店と名乗っています。2020年まではトヨタ販売店は4種類あり、それぞれの店舗の特徴を出すため、それぞれの店舗のコンセプトにふさわしい車種を投入していました。ノアにヴォクシーとエスクァイアの兄弟車が設定されているのは、販売店の問題が大きく影響していました。
しかし今や、トヨタの販売店は1種類だけ。もう兄弟車を作る必要がありません。さらにトヨタも利益確保のためコスト削減にでており、その一環が兄弟車の廃止です。そこで次期型ノアの兄弟車も廃止され、ノアだけになると考えられています。実際エスクァイアは廃止予定で、グレードを整理しています。しかしヴォクシーについては諸説飛び交い、確定的な情報が得られていない状況です。
まず最初の説は、トヨタ ノアだけモデルチェンジし、ヴォクシーとエスクァイアは廃止というもの。エスクァイアはノアの高級版で、装飾品が豪華になったノアとも言えます。そこでエスクァイアユーザー向けに、次期型ノアでは豪華仕様を用意する模様です。
ヴォクシーもまたグレードをエアロパーツ装着車のZS系だけに集約し、販売を行っています。これが、現行型でヴォクシー廃止とされる大きな理由です。次期型ノアのエアロパーツ装着車にヴォクシーの名を付けたグレードを用意し、ヴォクシーユーザーをノアに取り込む作戦です。しかしノアはオーソドックスなイメージで、エアロ版もヴォクシーほど尖ったデザインではありません。ヴォクシーユーザーがトヨタの思惑通り、次期型ノアに移行するかは不明瞭といえます。
8月にスクープされた最新情報では、ヴォクシー廃止となっています。2022年1月モデルチェンジなら、そろそろカタログやポップ作成、CM撮影などの宣伝材料を作らないと間に合わないタイミングです。9月から10月の後半になれば、次期型の情報もディーラーに通達されることでしょう。そんな事情もありこのタイミングでスクープされた、次期型ヴォクシーは存在せず現行モデルで廃止説は信ぴょう性が高まっています。
次の説はノアとヴォクシーだけモデルチェンジし、エスクァイアのみ廃止というもの。本来はヴォクシーも現行型で廃止予定なためグレードをZS系に集約しましたが、それでもヴォクシーの販売台数は一向に衰える気配がありません。ヴォクシーとノアの年間販売台数を比較してみると
年間販売台数 | トヨタ ヴォクシー | トヨタ ノア |
---|---|---|
※2021年は1月から7月までの合計台数 | ||
2002年 | 72,958 | 97,080 |
2003年 | 56,343 | 86,922 |
2004年 | 77,146 | 62,371 |
2005年 | 72,991 | 72,859 |
2006年 | 63,546 | 54,283 |
2007年 | 73,457 | 61,064 |
2008年 | 70,163 | 57,477 |
2009年 | 71,426 | 52,933 |
2010年 | 72,163 | 56,955 |
2011年 | 48,652 | 38,855 |
2012年 | 50,539 | 36,764 |
2013年 | 41,918 | 32,306 |
2014年 | 109,174 | 69,605 |
2015年 | 92,546 | 53,965 |
2016年 | 91,868 | 54,826 |
2017年 | 86,772 | 58,729 |
2018年 | 90,759 | 56,719 |
2019年 | 88,012 | 52,684 |
2020年 | 69,517 | 45,434 |
2021年 | 47,473 | 29,596 |
ヴォクシーの年間販売台数は2004年までノアに及びませんでしたが、2005年に逆転以来1度もノアの販売台数に負けてことはありません。先ほどご紹介したグレード集約は2020年4月に行われました。しかし2020年の販売台数で24083台、2021年もすでに17877台差と、ヴォクシーの販売の好調さが際立ちます。販売台数だけで見ると、ヴォクシーを廃止する理由がありません。しかもエアロパーツ装着のZS系だけにグレードを絞っても販売台数が減らないことから、ヴォクシーをエアロ装着専用車として残す案もありました。
ただし、前章でご紹介したように最新情報はヴォクシーの廃止です。果たしてこの後、ヴォクシー存続案が再び急浮上するかどうかは、豊田章夫社長にしかわからないことなのでしょう。
2022年1月にモデルチェンジが濃厚な次期型トヨタ ノア。その兄弟車のヴォクシーは最新スクープによれば廃止とのことですが、販売台数を見るとノアよりも販売が好調なヴォクシーを廃止する理由はありません。果たして次期型ヴォクシーは存続するのかしないのか?次期型トヨタ ノアが登場するまで、あと5カ月ほどです。その時に次期型ヴォクシーの扱いも判明することでしょう。
【10/19追加】
トヨタ ノアの次のモデルチェンジですが、2022年2月にずれ込むようです。これは世界的な半導体部品不足によるものとのことです。エスクァイアは12月で生産終了しますが、ノア、ヴォクシーについては公式には現行型のオーダーストップと生産終了時期がアナウンスされていません。現行型の生産は半導体部品不足のため、納期が明記されていません。あまりに待たされるようなら、次期型にターゲットを変更しても良いかもしれません。
次期型ノア三兄弟について、エクストレイルは既報通り1代限りでモデル廃止。後継モデルは次期型ノアに設定される豪華グレードになる模様です。そして大人気のヴォクシーですが、こちらもモデル廃止が濃厚で、後継モデルは次期型ノアに設定されるスポーツグレードとのこと。そのグレード名が「VOXY」になるとの情報です。
次期型ノアではフロントマスクが2種類設定されるとのことで、標準モデルには現行ノアのイメージを踏襲したデザイン、スポーツグレードには現行ヴォクシーのデザインを踏襲したものになるとのこと。
次期型ノアのグレード体系は、ざっくりとこのようなイメージになります。
これらをひとまとめにして、車名を「トヨタ ノア」とし、ヴォクシーの売り上げをノアに加算する意向です。
【12/9追加】
トヨタの公式サイトで、2022年1月からKINTOで新型ノアとヴォクシーの取り扱いが開始になることが発表されました。
これにより、ノアとヴォクシーはモデルチェンジ、エスクァイアは廃止が決定的となりました。
新型は全車1735mmの3ナンバー車となり、ノアが標準的なデザインとエアロバージョン、ヴォクシーがエアロバージョンのみとなる公算です。
公式サイトでは、新型ノア・ヴォクシーのフロントマスクのティーザー画像が掲載されているので、気になる方はご覧ください。
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