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キャンピングカーと聞かれると、一般的には「寝泊りできる機能を備えた大型の車」と連想されます。おおむねこの認識で間違いないのですが、実は一口にキャンピングカーといっても法的にきちんと区分が分けわれています。法的にキャンピングカーとなるためには、一定の規格をクリアしていることが条件になります。その条件のことを「構造要件」といいます。
構造要件を満たした車の車検証には
と記載がされ、8ナンバー登録車両になります。
キャンピングカーとして登録を受けるための構造要件は、次の通りです。
キャンピングカーにはベース車両、改造方法などによって、次の7種類に分類されます。 ※かっこ内は通称です。
シャーシ以外は全てオリジナルのキャンピングカーで、アメリカではモーターホーム、モーターハウスとも呼ばれます。日本の公道を走行できる自動車の要件は道路運送車両法で規定されますが、その規定内であればすべてを自由に制作できるので自由度、快適性、オリジナリティに関しては随一といえるでしょう。
しかしサイズ的にはかなりの大型になることが多く、日本国内で取り扱うには駐車場の問題や運転の難易度の高さが挙げられます。さらに0から作り上げるフルオーダーメイドになるので、値段が数千万以上とかなりの高額になるのが難点です。
マイクロバスなどのキャブ部分(運転席部分)のみを残し、ボディを加工・改造したキャンピングカーです。乗り心地はベース車両に依存し、動力的にはベース車両が通常10人乗り以上を想定して作られているので、パワーに物足りないことはないでしょう。
トラックのキャブ部分やシャーシを利用し、キャビン部分をオリジナル制作したキャンピングカーです。トヨタではキャブコンのベース車として、同社のトラックのダイナのキャブ部分を足回りだけを残し、各種設定をキャンピングカー用に最適化した「カムロード」を販売しています。
室内を広く設定でき、日本ではキャンピングカーとして広く普及している種類の1つです。
トヨタ ハイエースなどのバンタイプの車両をベースに制作するキャンピングカーです。ベース車両は大人気のハイエースであることが多く、ハイエース自体の人気の高さや日常の取り回しの良さから、日本で広く普及しているキャンピングカーの1つです。
トヨタ コースターなどのマイクロバスをベースに制作するキャンピングカーです。セミコンと違いボディ部分の外観の加工は行わず、室内の改造に留まります。室内レイアウトはマイクロバスの広さを生かし、リビングと常設ベッドルームの2ルーム仕様が人気です。
ピックアップトラックの荷台部分にキャンバーシェルを積載したキャンピングカーです。運転席とキャンパーシェルの往来が出来ず、日本では滅多に見かけないタイプです。
軽バンや軽トラック、軽自動車をベースに制作するキャンピングカーです。通常は2人しか就寝できずキャンピングカーとしてはミニマムサイズながら、新車ベースでも価格が200万円台からと、キャンピングカーとしては安価で購入できるのが魅力で、近年人気になっています。
自走式のキャンピングカー以外にも、牽引式のキャンピングトレーラーやトレーラーハウスがあります。
キャンピングカーとミニバンで大きく違うのは使用目的、値段、車両の大きさ、維持費です。
ミニバンの使用目的は乗用です。人を乗せて走行し、目的地にたどり着くことが目的であり、その際の走行性能や安全性能、乗り心地の良さ、燃費の良さ、乗り降りのしやすさ、荷物の積み下ろしのしやすさなどに重点を置いた設計がなされています。
キャンピングカーの使用目的はキャンプです。つまり車内の居住性能や就寝性能を高め、一定期間住むことを目的としています。そのため「家」としての快適性能が高められ、自動車としての走行性能がおざなりになっている面もあります。
例を挙げると、シートの作りがミニバンとは全く異なります。ミニバンのシートに求める性能は、ミニバンが走行中の乗り心地や座り心地の良さであり、長距離で座っていても疲れないことなどが重要になります。ミニバンが左右に曲がっても体がブレることなく、しっかりシートにフィットすることで安定して快適な乗り心地になるよう設計がなされています。
キャンピングカーのシートは、シートアレンジにより快適な就寝設備となることが最優先になります。つまり、シートをベッドにアレンジしたとき、ベッドとして快適であることを狙い、完全なフルフラットになるよう設計されています。
そのためキャンピングカーのシートをミニバンのシートと比較すると、座面が平らで体を左右から支えたりサポートする凹凸がありません。これではキャンピングカーの走行中、ちょっとした挙動で、シートに座っていても体が移動したり滑ったりし、走行中の安全性が確保できているとは言い難いシートと言えます。
キャンピングカーとミニバンの大きな違いの2点目は、値段です。ほぼオーダーメイドのフルコンやセミコンは例外として、日本で人気のバンコンは既存のベース車を元に改造して作られるため、ベース車両代に加え改造費や工賃がかかり、同クラスのミニバンより価格が高くなる傾向にあります。
例を挙げると、バンコンのベース車両として人気のハイエースコミューターのエントリーモデルの2700ガソリン DX 2WDの価格が321万円です。ハイエースコミューターはハイエースバンより全長、全幅、全高が大きいマイクロバス仕様のモデルで、スーパーロング、ワイド、ハイルーフの特徴があります。
このハイエースコミューターをベースにしたバンコンは、人気価格帯が概ね500万円前後です。ハイエースベースの500万円クラスのバンコンの標準的な設備はソーラーパネルや室内装備品用バッテリーを装備し、エアコン、冷蔵庫、電子レンジを設置。室内は断熱施工がしてあり、外気温の変化に左右されにくい快適な室内です。駐車場に設置する自走式の離れ部屋が500万円代というのは、魅力的ですね。
国産車をベース車両としたキャブコン、バンコン、軽キャンパーなら、ベース車両と大きく車体サイズは変わりません。しかし同じ国産車ベースのバスコンや、海外製のフルコンやセミコンは、バンコンとは大きさが著しく異なります。
ハイエースのスーパーロングボディのバンコンなら、全長は5300mm前後です。しかしトヨタ コースターがベースのバスコンだと、ベース車の全長は6255~7725mmという巨大さです。
ここで問題となるのが、駐車場です。自宅の駐車スペースに停めることができれば、駐車場は問題になりません。しかし、もし駐車場を借りるとなると、物理的に入庫できない、駐車できないなどの理由で見つからないこともあります。
車庫証明が必要なのは、キャンピングカーでもミニバンと変わりません。お目当てのキャンピングカーが見つかったら車体サイズを確認して、駐車場が問題にならないか確認するといいですね。
キャンピングカーとミニバンの維持費にも、違いがあります。
まず自動車税(種別割)と重量税は、3/5/7ナンバーのミニバンより8ナンバーのキャンピングカーの方が安くなります。同排気量、同重量の場合で自動車税(種別割)で約8千円程度、重量税は約1万6千円程度の差があります。
任意保険は会社によっては、キャンピングカーの加入を認めていない保険があります。通常の任意保険は、改造車の加入を避けているからです。また普通車を主に扱う任意保険にキャンピングカーが加入できたとしても、事故などの際に十分な補償が受けられないケースがあります。キャンピングカーには、キャンピングカー専用の任意保険があります。多少保険料が高くなったとしても、専用の任意保険を選びたいですね。
メンテナンス費用については、キャンピングカーの方が高くなるでしょう。なぜなら自動車としてのメンテナンスに加えて、車内設備のメンテナンス費用も必要になるからです。
ミニバンとキャンピングカーの違いが大雑把ながらご紹介しました。次に車中泊するならどちらがおすすめなのかを考えてみます。
結論から言えば、純粋に車中泊をするなら、断然キャンピングカーがおすすめです。車中泊に関してはキャンピングカーは専門家なので、多用途に対応できるミニバンとは快適性の高さが違います。
キャンピングカーの車中泊は、季節を問いません。夏なら温度上昇や結露対策に窓を開けておきたいところですが、虫の進入も気になります。そこでキャンピングカーの窓には網戸を装備することが可能です。そもそも室内に断熱施工がしてあれば結露はしませんし、網戸を付けているとはいえ窓を開けて寝るとセキュリティ的に気になるなら、室内設備専用バッテリーを装備し、エアコンを設置できます。
エアコンを設置すれば暑い夏だけでなく、寒い冬でも快適な車中泊が実現します。さらに室内設備専用バッテリーがあると冷蔵庫、電子レンジ、湯沸かしポットなども使えるので適温の食事や飲料を摂ることもできます。
ちなみに室内装備専用バッテリーは、キャンピングカーの走行には全く関係しないバッテリーなので、仮に室内設備専用バッテリーが上がってしまっても、走行できなくなるという心配はありません。しかもキャンピングカーを走行させたり屋根のソーラーパネルで充電できる室内設備専用バッテリーもあるので、車中泊時の快適性を損なう心配はほとんどしなくて済みます。まさに車中泊を快適に行う専用車がキャンピングカーなので、こと車中泊の快適性に関してはミニバンでは太刀打ちできません。
しかし、どんな車中泊でもキャンピングカー並みの高レベルな快適性が必要ですか?
例えばスノーボードに行った際、リフトが動くまでの間に仮眠を取る場合。例えば東京ディズニーランドに朝早く到着して、開門までの時間に仮眠をとる場合。簡易的に車中泊が必要な場合なら、人が横になれるスペースをシートアレンジで作り出せたら仮眠は取れるので、キャンピングカーのように快適性の高い車中泊は必要ないと考える人も多いでしょう。
反面、例えば自動車で日本一周ドライブ旅行をする時、旅行期間は月単位になることが想定されます。こういう時は日中に旅行し、夕暮れには運転を止めるようにすると、心身のストレスや疲れが軽減されます。日本一周ドライブ旅行なら、旅行先に必ずしも宿泊施設があるとは限りません。また毎日宿泊施設を利用していたら、宿泊費も気になります。このように宿泊がドライブの大きな比重を占める時には、しっかりとした就寝設備のあるキャンピングカーがおすすめです。
車中泊におすすめなのは断然キャンピングカーですが、それも使用頻度とコストパフォーマンスの問題です。日本一周ドライブ旅行などでキャンピングカーを常用するなら、キャンピングカーがおすすめです。しかし年に数回、仮眠程度ならコストパフォーマンスの面からミニバンの方がおすすめとなります。
キャンピングカーとはどのような車か、大まかにですがご紹介し、キャンピングカーとミニバンの車中泊について比較しました。
車中泊の快適さで言えば、キャンピングカーに軍配が上がります。しかもキャンピングカーには住宅並みの室内設備も備わっており、居住も可能です。しかしキャンピングカーのシートはベッド利用前提のためフラットで、走行中の着座には不向きです。この点、純粋な乗用車であるミニバンのシートの方が、走行中の快適性は高くなります。
また購入や維持費用ではキャンピングカーの方が高くなりがちで、これは車中泊や居住の快適性の高さとのトレードオフになります。
車中泊をどんな状況で行うのか、年に何度もあるのかないのか、連泊なのか仮眠なのか、など考えて納得のいく車選びをしましょう。
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