5代目RP型ホンダ ステップワゴンの環境性能は高水準！

2021年現在の日本の自動車にまつわる税金システムは、燃費性能と排気ガス低減レベルを抜きには考えられません。世界的なカーボンニュートラルへの大きな流れの中で、日本としても保有台数8000万台を超える自動車の燃費向上と、排気ガス低減は急務です。そのため初度登録から13年を超えた車は税金を高くし、維持費をわざと高騰させ、よりクリーンな最新車への買い替えを促しています。

反対に燃費性能と排気ガス排出量が一定のレベルまで低減されている最新の自動車は、自動車税環境性能割や自動車重量税が免除されたり、軽減されたりしています。また自動車税に変わる自動車種別割も、自動車税時代より全体的に納税額が引き下げられました。最新車両にとっては、購入費用や維持費用が軽減されており、政府が最新車への買い替えを促しているとも言えます。

では中型ミニバンで人気の5代目RP型ホンダ ステップワゴンの燃費性能と排気ガス低減レベルは、どれくらいなのでしょうか。2015年登場時のモデル（2015年モデル）、2017年のマイナーチェンジ後のモデル（2017年モデル）、2020年のマイナーチェンジ後のモデル（2020年モデル）の環境性能と排気ガス低減レベルをご紹介します。

2015年モデルの燃費性能と排気ガス低減レベル

2015年にフルモデルチェンジされた5代目RP型ホンダ ステップワゴンですが、当初は1.5リッターVYECターボのみが搭載されています。いわゆるダウンサイジングターボで、2.0リッター自然吸気エンジン並みの最大トルクを、2.0リッターエンジンよりも広い範囲で発揮できる高性能エンジンです。

その1.5リッターVTECターボエンジンの登場時の燃費性能はJC08モードで最大17km/Lで、モデューロXを除いた全車で「平成32年度（2020年度）燃費基準達成」です。

排気ガスに関しては、全モデルで「平成17年排出ガス基準75％低減レベル」認定車です。

2017年モデルの燃費性能と排気ガス低減レベル

2017年モデルでは、シリーズにハイブリッド車が追加されました。ガソリン車の1.5リッターVTECターボは性能に変わりがないものの、燃費基準の表記方法が変わりました。SPASA Honda SENSING（4WD）のみ「平成27年度燃費基準+20％達成車」、他ガソリン車は「2020年度燃費基準達成車」となります。排気ガスに関しては変わらず、全モデルで「平成17年排出ガス基準75％低減レベル」認定車です。

ハイブリッド車の燃費性能は全車で「2020年度燃費基準+50％達成車」です。排気ガスに関しては全モデルで「平成30年排出ガス基準75％低減レベル」認定車です。

2020年モデルの燃費性能と排気ガス低減レベル

2020年のマイナーチェンジでは装備の充実化と、グレード整理が行われています。その結果、ガソリン車は燃費を1割近く落とし、JC08モードで最高15.8km/Lとなりました。燃費性能は表記が最新のものに変わり、SPADA Honda SENSING（4WD）で「2030年度燃費基準55％達成車」、他ガソリン車は「2030年度燃費基準60％達成車」となっています。

ただしそれぞれオプション選択により、認定されたりされなかったりします。SPADA Honda SENSING（4WD）が「2030年度燃費基準55％達成車」には、わくわくゲートを非装着が必須。しかし「1列目シート専用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム」または「2列目6：4分割ベンチシート」を装着すると認定から除外です。

他にもG・EX Honda SENSINGに「2列目6：4分割ベンチシート」を装着すると、「2030年度燃費基準60％達成車」から外れます。

ハイブリッドモデルの燃費性能はe:HEV SPADA G Honda SENSINGが「2030年度燃費基準90％達成車」となり、他ハイブリッド車は「2030年度燃費基準95％達成車」です。ただし、こちらもメーカーオプションにより、認定が変わるモデルがあります。

e:HEV SPADA G Honda SENSINGに「1列目シート専用i-サイドエアバッグシステム+サイドカーテンエアバッグシステム」を装着すると、基準達成率が90％から95%に上がります。さらにエアバッグシステムを選択しながら「わくわくゲート」を非装着にすると、基準達成率が95%から外れます。5代目ステップワゴンでわくわくゲート未装着車を希望すると、かなり複雑な燃費性能表示となるので、ご注意ください。

排気ガスに関しては、ガソリン車、ハイブリッド車とも全モデルで「平成30年排出ガス基準75％低減レベル」認定車です。

５代目RP型ホンダ ステップワゴン購入時の納税額はいくら？

5代目RP型ホンダ ステップワゴンの各時期の燃費性能と排気ガス低減レベルをご紹介しました。これにより納税額に変更があるのか、見てみましょう。

ホンダ ステップワゴン2015年モデル（中古）購入時の納税額

2015年モデルは中古でのみ購入可能です。取引価格が50万円を超えると自動車税環境性能割が課せらます。2015年モデルの中古車は100万円以上で取引されているので、自動車税環境種別割が課せられます。では自動車税環境性能割の課税率はというと、3%です。

2021年9月現在で、自動車税環境性能割を軽減する条件は、

• 「平成17年排出ガス基準75％低減レベル」達成
• 「平成32年度燃費基準達成」達成
• 「2030年度燃費基準」を60％以上達成

です。

「2030年度燃費基準」は「令和12年度燃費基準」と同じものです。令和12年度の自動車の燃費の目標値を定めたもので、燃費の測定方法はWLTCモードです。WLTCモードは2018年10月以降に型式認定を受けた車種から適用されています。型式認定とは、新しく自動車を製造する際に、国から与えられる製造許可のこと。つまりはフルモデルチェンジや新型車の発売を意味します。また既存車種も2017年夏ごろからWLTCモードに切り替えられました。

自動車税環境性能割を受けるには、WLTCモードで燃費測定を受けた車種が対象で、ホンダ ステップワゴン2015年モデルは対象外です。そのため、税率は満額の3％となります。取得価格100万円につき3万円の税負担は大きいですね。

 

次に自動車重量税です。2015年モデルの中古車を購入して車検を受けるとなると、車両にとっては何回目かの車検となり「継続車検」扱いとなります。そこで問題になるのが排気ガス低減レベルと初度登録年度です。2021年9月現在の自動車重量税制は、2023年4月30日まで有効な臨時的なものです。最新のエコカーには自動車重量税は減免されますが、少し古くなるとエコカー認定から外れ、通常の自動車重量税になります。

自動車重量税を算出するフローチャートでは

• 令和2年度（2020年度）燃費基準達成
• 「平成17年排出ガス基準75％低減レベル」達成または平成30年排出ガス規制50％低減以上を達成

を最低条件とし、以降の条件で振り分けています。

1. 2018年5月1日以降の初度登録で指定の燃費基準を達成
2. 令和2年度（2020年度）燃費基準60％未満

1と2に該当していれば自動車税は免税、1、2のいずれにも該当しなければエコカー本則税率、2に該当していればエコカー減税対象外となります。

ホンダ ステップワゴン2015年モデルは、令和2年度（2020年度）燃費基準と「平成17年排出ガス基準75％低減レベル」は達成していますが、初度登録が2015年から2017年です。しかもWLTCモードでの燃費測定を受けていないため、1、2のいずれにも該当せず、エコカー（本則税率）が適用されます。納税額は2年自家用2万円です。エコカー認定されないと3万2800円なので、1万2800円お得ですね。

そして中古車購入時には自動車税種別割の納税が必要です。ただし、自動車税種別割の対象車は2019年10月1日以降に初度登録を行った車種のみで、2019年９月30日以前に初度登録を行った車種は従来の自動車税が適用されます。

ホンダ ステップワゴン2015年モデルは2015年から2017年の登録なので、自動車税の対象となります。搭載エンジンの排気量が厳密には1.496リッターで1.5リッター以下なので、納税額は年額で3万4500円になります。

ホンダ ステップワゴン2015年モデル中古購入時の納税額

• 自動車税環境性能割：取得価格の3％
• 自動車重量税：２万円
• 自動車税：3万4500円
• 合計：購入価格の3％+5万4500円

ホンダ ステップワゴン2017年モデル（中古）購入時の納税額

次にホンダ ステップワゴン2017年モデルです。こちらはWLTCモードで燃費計測を行っているため、2030年度燃費基準の対象になります。

まず自動車税環境性能割はガソリン車、ハイブリッド車とも3％です。ガソリン車、ハイブリッド車とも、2030年度燃費基準を達成していないため、自動車税環境性能割は減免されません。

自動車税はガソリン車、ハイブリッド車とも、エコカー（本則税率）が適用されます。車両重量はどちらも1800kg前後のため、2年自家用で2万円です。

自動車税種別割は2019年10月1日以降に初度登録を行っていれば、ガソリン車が3万500円、ハイブリッド車が3万6000円です。2019年9月30日以前に初度登録が行われていれば、ガソリン車3万4500円、ハイブリッド車3万9500円です。

ホンダ ステップワゴン2017年モデル（ガソリン車）中古購入時の納税額

• 自動車税環境性能割：取得価格の3％
• 自動車重量税：２万円
• 自動車税種別割（自動車税）：3万500円（3万4500円）
• 合計：購入価格の3％+5万500円（5万4500円）

ホンダ ステップワゴン2017年モデル（ハイブリッド車）中古購入時の納税額

• 自動車税環境性能割：取得価格の3％
• 自動車重量税：２万円
• 自動車税種別割（自動車税）：3万6000円（3万9500円）
• 合計：購入価格の3％+5万6000円（5万9500円）

ホンダ ステップワゴン2020年モデル（新車）購入時の納税額

現行モデルである2020年モデルを新車で購入する場合、納税額はいくらになるのでしょうか。まず自動車税環境性能割はガソリン車で1％または2％。2030年度燃費基準を60％達成していると2％、60％以下だと3％かかりますが、2021年12月31日まで自動車税環境性能割は1％割引中なので、1％または2％の課税となります。ハイブリッド車は2030年度燃費基準を90％または95％達成なので、免税です。

ガソリン車の自動車重量税は車両重量が1700kg前後で、2030年度燃費基準を60％達成しているグレードは25%軽減され、3年自家用で2万2500円です。2030年度燃費基準達成率が60％以下の場合には、自動車重量税は減免されないので、ステップワゴンのガソリンモデルを新車で購入する時は、グレードとオプション選びに注意しましょう。

ハイブリッド車の自動車重量税は、2030年度燃費基準を90％以上で達成しているので、免除されます。

自動車税種別割はガソリン車が3万500円、ハイブリッド車が3万6000円です。

ホンダ ステップワゴン2020年モデル（ガソリン車）新車購入時の納税額

• 自動車税環境性能割：所得価格の1または2％
• 自動車重量税（3年）：２万2500円 ※2030年度燃費基準60％達成の場合
• 自動車税種別割：3万500円
• 合計：購入価格の1または2％+5万3000円

ホンダ ステップワゴン2020年モデル（ハイブリッド車）新車購入時の納税額

• 自動車税環境性能割：免税
• 自動車重量税：免税
• 自動車税種別割：3万6000円
• 合計：3万6000円

まとめ

5代目RP型ホンダ ステップワゴンを購入する際に、いくら納税するのかをご紹介しました。納税額だけで比較すれば一番お得なのは、2020年モデルのハイブリッドを新車で購入するパターンです。しかし代わりに車両本体価格が高くなりますし、本稿では取り上げていない消費税も高くなります。5代目RP型ホンダ ステップワゴンは、モデルライフを通じ、パワートレーンの変更がなかったため、燃費性能にも大きな差は出ません。購入予算、月々のローン支払い額や維持費など、きちんと資金計画を立てて無理のない車選びをしてくださいね。

画像提供：本田技研工業株式会社

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